シングルマザーの味方は風俗店という皮肉

風俗がシングルマザー貧困問題の“突破口”?

近年のアベノミクスで「一億総活躍」の方針が打ち出されたこれからの日本。
経済対策の恩恵から富裕層(年収3,000万円以上)が続々登場する一方、貧困にあえぐ家庭も増えるといった格差社会の拡大がさらに懸念されています。
中でも最も重い重圧を受けているといわれているのがシングルマザー世帯です。

  • 未成年の子どもがいる母子世帯の平均年収は291万円(2010:厚労省調べ)
  • 上記のうち、稼ぎ手が「母親だけ」の場合、平均年収は223万円
  • 母子家庭の貧困率は57%(2011:国立社会保障・人口問題研究所調べ)
    →貧困率=世帯所得を基に、国民1人の可処分所得を算出して並べ、真ん中の人の所得の半分(07年調査では114万円)に満たない人の割合
  • シングルマザーの50%が、収入が月10万円以下の暮らしを強いられている

というようなショッキングな調査結果も連日発表されています。
しかしそんな貧困にあえぐ彼女たちは、ただただ流れに身を任せているだけなのでしょうか。実はそうではありません。

シングルマザーの多くは、より収入を増やし支出を減らすことで、子どもたちを満足に育てられるように努力しています。
そのうちの「収入を増やす努力」として近年顕著になってきているのが「風俗嬢になる」という選択肢です。
彼女たちは、なぜ一般企業ではなくあえて“風俗嬢”を選ぶのでしょうか。そして“風俗嬢”という選択肢は“認められるべきもの”なのでしょうか
今回の記事では、その理由を彼女たちの生活背景や行政の仕組みから読み解いていきましょう。

風俗はシングルマザーのセーフティネット?

シェルター

「貧困にあえぐシングルマザーの中には、風俗嬢になることによって生活を安定させようとする人もいる。」
風俗嬢は日常生活で自分が風俗嬢であることをカミングアウトしないため、正確にシングルマザーの何パーセントが風俗産業に従事しているかを知る術はありません。
ですから、この選択肢は2016年現在でも都市伝説のように語られることすらあります。
しかし、3年前に炎上した以下の書き込みを見てみましょう。

託児所付き、寮完備、高給料、休みの融通がきく、体を張れば大抵働ける。
世間からは痛い目で見られるけど、ここしかないと思った。
風俗は汚らわしいとしても一番シングルマザーに優しい仕事。
もっとこんな仕事先が増えればいいのにな。
子供いても働きやすい環境を一番に考えてるのが風俗って馬鹿にできませんよね?

参照元:ママスタジアム

批判も多く受けた書き込みであり、決してすべてのシングルマザーが投稿者のような考えというわけではないことも承知です。
しかし、内容を精査するとたしかに“風俗嬢”という選択肢はうまくやれば彼女たちにとって「必要なもの」や「必要なこと」が全て手に入る職業ともいえるのです。

風俗嬢は、学歴や経歴を問われない

まず「自分たちを雇ってくれる」ということ自体が、シングルマザーにとっての風俗嬢の魅力であると筆者は考えています。

というのも、一般企業でシングルマザーが内定をいただくことは、普通の人よりも格段に厳しいためです。「子どもが熱を出してしまったので、病院に連れていってから出社したい」、あるいは「子どもの夕飯の支度をしたいので、残業はできない」といった母親ならではの要望も、企業にとっては「職場の空気を乱す要素」とみなされます。
そのため、シングルマザーの就職活動は、シングルマザー本人に学歴や経歴が伴わない限りは苦難の道であることが多いのです。

その点、性風俗産業は、容姿や年齢・健康面の一定基準を満たしていれば、簡単な研修だけで誰でもすぐに始められます。
際立った学歴や資格がなくても、すぐに始められる仕事はシングルマザーにとって願ったりかなったりなのです。

風俗嬢は、「即時に高収入」を期待できる

風俗嬢の魅力は「すぐに始められる」ことだけではありません。紳士・淑女の皆さまもお察しの通り「高収入を期待できる」ことも大きな魅力です。
お客様がつかなければお給料は0ですが、お得意様をつければつけるほど風俗嬢というお仕事は青天井に稼げます。
また、お給料が月払いではなく“日払い”なことも大きな魅力です。
「いきなり子どもが熱をだしてしまって病院に連れていきたいが医療費がない」「明日は学校の集金だ」というように“急な出費”が多い彼女たちにとって日払いシステムは大きな助けとなっていることでしょう。

風俗嬢は、「母親業と両立」できる

紳士・淑女の皆さまの多くは、シングルマザーが風俗で働く理由を「お金」と思っているかもしれません。しかし、それは合っているようで間違っています。
彼女たちのなかには「仕事と母親業と両立する時間」がほしいために風俗嬢という選択肢を取る人も珍しくありません。

風俗店の出勤は、原則として自己申告制です。生理中はもちろんお休みがもらえますし、生理でなくてもきちんとお店に連絡すれば「急なお休み」にも対応してくれます。
子どもの体調が悪いときはもちろん、学校行事や母親として子どもとしっかり向き合う時間も自分が取ろうと思えばいつでも取れます。そういう意味では先ほどお話した一般企業よりも大変ホワイトなのです。

風俗嬢になれば、住むところ(寮)や保育所も確保できる

経歴を問われず、お客様がつけば昼の職業よりも高収入を期待でき、時間の余裕も作りやすい風俗嬢にはさらなる利点もあります。
それは、風俗店が用意してくれている寮や保育所を使うことができるということです。
風俗嬢の面接を受けるシングルマザーの中には、手狭なワンルームで家賃もカツカツといった状態で暮らす人や、働こうにも子どもを預かってくれるところがないと悩んでいる人も少なくありません。
風俗嬢になることによって、その仕事をしている間に限られますが住環境や保育環境も整えることができる場合もあるのです。

目の粗すぎる行政と、“自活状態”を維持しようとするシングルマザー

家計

ここまでの文では、風俗嬢という選択肢がシングルマザーにとって「仕事と子育てと暮らしの全て両立できる可能性がある」という意味で大きな助けになっているというお話をさせていただきました。
ただ、紳士・淑女のみなさまには当然ながら「お金が苦しいからといって性を売るのはいかがなものか」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
中には「風俗店で稼ぐのではなく、行政の支援を積極的に受ければいいじゃないか」という方もいらっしゃることでしょう。
しかし、風俗嬢をしているかどうかにかかわらず、シングルマザーの多くは「行政の支援を受けるくらいであれば、自活状態を保ちたい」という意見を変えないという現実がそこにはあるのです。
彼女たちが積極的に行政の力を借りられるようにするためには、少なくとも次の3つの努力をする必要があるでしょう。

行政の支援の種類や仕組みが、シングルマザーに広く伝わるように模索するべき。

まず挙げられるのが、行政サービス特有の「支援の分かりづらさ」です。
たとえば、2016年現在シングルマザーの生活を支援するために活用できそうな制度を挙げてみましょう。

  • マザーズハローワーク
  • 教育訓練給付金
  • 高等技能訓練促進費
  • 児童扶養手当制度
  • 母子寡婦福祉貸付金
  • 生活保護
  • 養育費受取支援
  • 児童養護施設(短期・長期)

紳士・淑女の皆さまはこれらの制度をご存知でしょうか?もし名前をご存知でも、具体的に「どの制度がどういうもので、どう申請すればいいのか」までご存知ですか?
正直なところ、筆者も本記事を執筆するまではマザーズハローワーク・児童扶養手当制度・生活保護の3つしか即座に思い浮かべることはできませんでした。
さらにその3つの中で具体的な申請方法を知っていたのは生活保護だけでした。
筆者のような時間のある独身者ですらそうなのですから、日々家計を支えながら子育てに奮闘するシングルマザーがこういった制度を知る機会はごくわずかなのではないでしょうか。

シングルマザーの支援に関わらず、行政の支援は基本的に自分から申請しないと動かないスタンスですが、「シングルマザーが風俗で働かなくても生活できる社会」を実現したいのであればこのスタンスは少なからず変える必要があるでしょう。

「行政支援を受けると逆に苦しくなる」というジレンマを解消すべき

次にあげられるのが、「行政サービスで支援を受けると、生活が逆に苦しくなる」というジレンマの解消です。
先ほどの支援の中でも、比較的有名な「児童扶養手当」や「生活保護」は保護を受けるとさらに生活が苦しくなってしまう恐れのある支援であることをご存知でしょうか。たとえば生活保護を受けるさいには

  • 土地・現金・車など“財産”となるものを全て手放さなければならない
  • 受給中は、子どものお年玉やお祝い金といった臨時収入もすべて「収入」として計算しなければいけない

といった制約があります。児童扶養手当の場合も

  • 片親の家庭で年収130万円以下でないと全額給付されない
  • 元配偶者や、実家で暮らしている場合は手当が支給されない

といった条件があります。

問題なのは、このような制約が設けられた“支援”で、彼女たちは本当に“救済”されるのかどうかです。
車がないと生活できない地域なのに、生活保護を受けたい家庭や、年収が低く生活も苦しいのに、実家で暮らしているから児童扶養手当が支給されない家庭はどうなのでしょう。
保護を受給する権利と引き換えに、彼女たちには“支援を受ける前よりも過酷な生活環境(車がないからどこに行くのにも時間や交通費がかかったり、保護を受けるために実家を出たものの部屋の賃料の支払いに苦しむ)”が待ち構えているかもしれないのです。こうしたことが起こってしまったら、まさに保護は「受け損」でしょう。

こういった受け損を防ぐためにも、行政には個々の家庭状況に合わせた柔軟性が求められているのではないでしょうか。

支援を受ける世帯の子どもへの影響を最小限に抑えるべき

最後に挙げられるのが「支援をうけたシングルマザーの“子ども”に対する影響」の軽減です。
一見すると特に支援を受けることによる子どもたちへの影響はないように感じられますが、それは間違いです。彼女たちの子どもにも少なからず“しわ寄せ”がきます。
シングルマザーたちのなかには、そんな子どもたちへのしわ寄せを避けたいがためにわざと「行政の支援を受けない」人もいるのです。

子どもたちが受けるしわ寄せは大きく「金銭的な負担」と「心理的負担」の2つに分けられます。
金銭面の負担は非常にわかりやすいでしょう。支援を受けるためには年収のボーダーラインがあります。「少ない年収で生活しなければいけない=切り詰めた生活を強いられる」ということです。
生活保護を受けている世帯の場合は、運転免許取得や進学時に「お金を借りられない」ため、将来の可能性が閉ざされてしまうといった弊害も付随します。
いっぽう心理的負担の代表例が「いじめ」です。「保護を受けているだけでいじめられるなんて……」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、子どもは良くも悪くも“純粋”です。“自分たちと違う(自分たちより貧乏だ)”という率直な感想が、意図せぬ方向に向いてしまうこともあるのです。

「応急処置」として風俗嬢になるのも一つの選択肢ではないか

ここまで風俗嬢はたしかに「経歴に関係なく、お金と時間の自由を手に入れられる可能性がある」お仕事です。
しかし、そんな風俗嬢には多くの困難もあるのです。
身内やママ友に身バレをしていてはそれこそ子どもがいじめに遭うかもしれません。子どもに自分が風俗嬢とバレてしまったら、親子関係が少なからず悪化するかもしれません。風俗嬢になるということは性病のリスクもあります。そして、もしお金にも時間にも余裕ができて、身バレもせず健康を維持できたとしても、彼女たちには「40の壁」ともいわれる見えない定年があります。
これらのリスクのなかには、彼女たち本人ですら認識していないものもあります。
しかもすべての項目が長く風俗嬢をやるほどリスクが高まる内容だということも注目すべき点です。

このようなリスクを考慮したうえで高級デリヘル口コミランキング運営部としては、「風俗嬢という選択肢をもし選ぶのであれば、あくまで応急処置として使う」ことをおすすめしております。要は「とりあえず風俗で働いてからこれからのことを考える」のではなく事前に必要なことをきっちりと調べたり、決めたりしておくべきだということです。

ここで申し上げる必要なことには少なくとも以下の4つが含まれるでしょう

  1. 「何年後、どうしていたいか」という理想
  2. その理想に対して、使えそうな助成金や支援金が行政や民間で設けられているのかどうか
  3. 1.2を踏まえたうえで、具体的に自分が何円稼がなければいけないのか
  4. その金額をどのくらいの期間で稼ぎ出したいのか(=風俗嬢をどのくらいの期間続ける予定なのか)

ひとりではわからないという場合は、風俗店の面接できいてみてもよいかもしれません。
風俗嬢の中にはこういった目標を達成するために働いているお嬢様も複数名いますから、経営者もこのあたりのことには詳しいかもしれません。
お金がためられるか不安という場合は、風俗嬢がしっかり貯金ができるように「積立制度」を設けてくれているお店もあります。
とにかく闇雲に「稼げるからとりあえず生活費のために風俗嬢をやる」という選択肢はおすすめできません。

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